リラ冷えと言う言葉をご存知ですか?
北海道で昔から使わている言葉です。
実は関東圏でも使われているある言葉の同音異語だったりもします。
今回はそんなリラ冷えについてを知るきっかけをつかんで頂ければと思います。
どんな時に使われる言葉なのか?
意味、歴史、語源、同音異語はあるのか?
そしてこちらも北海道で使われる言葉、
蝦夷梅雨との関係性についても触れていきます。
目次
リラ冷えとは何?
リラ冷えとは一体どのような時に使うのでしょうか?
実はリラ冷えは、北海道のとある気象現象を表す言葉です。
北海道の5月中旬~6月の中旬は平均気温16度前後。
暑くも寒くもないカラッとした晴天の日が多く、初夏を感じさせる気候です。
しかし、5月下旬~6月上旬には一時的に気温が低く推移する時期が存在しています。
この時期のことを「リラ冷え」と北海道では呼んでいます。
この時期の気温は10度を下回る事もあり、非常に肌寒くなる時期です。
普段より1枚多く上着を着る必要があるでしょう。
リラ冷えの意味や歴史をもう少し詳しく
リラ冷えはどんな経緯でいつ作られた言葉?
リラ冷えと言う言葉は造語です。
では、この造語はいつ作られたものなのでしょうか?
調べて見ると、造られたのは半世紀以上も前のことのようでした。
1960年(昭和35年)、榛谷美枝子(はんがい みえこ)さんという俳人の方が、
「リラ冷えや 睡眠剤は まだ効きて」という句を詠みました。
これがリラ冷えの初登場だと思われます。
その句を気に入った、作家の渡辺淳一さんが1971年(昭和46年)に「リラ冷えの街」という
小説を出版しました。その後の1972年にドラマ化。
「リラ冷え」という言葉は世間に広まりました。
リラ冷えは寒の戻りと花冷えを基にしている?
実は、このリラ冷えという言葉ですが、
北海道以外でも似たような言葉を使っています。
春の終わり頃、すっかり暖かくなったと思いきや一時的に異常に寒くなる現象を指して、
「寒の戻り」と言う言葉があります。
しかし、南北に長い日本では、季節の時期にバラつきが大きく、
北海道での晩春はちょうどリラが咲く時期(5月下旬~6月上旬)になります。
※「リラ」とは、ライラックの花のことです。
その時期ですと、北海道以外は既に初夏で梅雨に近い季節です。
ですから、寒の戻りという言葉使いません。
ちなみに関東で寒の戻り現象が起きるのは、
リラ冷えの時期よりも1か月以上前の4月になりますから、
この頃は桜の季節ですので、「花冷え」と呼ばれています。
「リラ冷え」は、この「花冷え」という言葉を基に、
北海道の中でも札幌におけるそれを表すものとして造られ、
俳句の季語として用いられたのではないかという説があります。
ちなみに、「リラ」とは「ライラック」のフランス語のことです。
ライラックの花は、「札幌市の木」に指定されていて、
札幌では毎年5月下旬になると「ライラック祭り」が開催されます。
蝦夷梅雨とリラ冷えは違いは?
蝦夷梅雨(えぞつゆ)という言葉を知っていますか?
北海道では、本州のようなハッキリとした梅雨はないのですが、
本州の梅雨と同じ時期に、ぐずついた肌寒い天気が続くことがあり、
それを「蝦夷梅雨」と呼んでいます。
そして、それを札幌の人たちは「リラ冷え」と呼んでいます。
ただ、期間を細かく見ているとちょっと矛盾があるようです。
リラ冷えは5月下旬~6月上旬、蝦夷梅雨は6月下旬~7月上旬が一般的ですから、
期間が若干ズレているのです。
私は関東に住んでいるのでどちらの言葉も馴染みはありませんが、
北海道の方ではどのように使い分けているのでしょうかね。
どちらにしても蝦夷梅雨もリラ冷えも
オホーツク海の高気圧の影響で発生する同じような気象現象ですから、
あまり使い分けをしておらず個人差のような部分があるのかもしれませんね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
リラ冷え、知っていましたか?
こうしてリラ冷えのことを知った後にあらためてみると、
「リラ冷えの街」ってタイトルがすごく綺麗で印象的です。
札幌の街が思い浮かびますよね。
当時、ドラマ化までしているわけですから、
私と同じような気持ちになった方もたくさんいるのではないかなと思います。
「リラ冷えの街」ってまだ読んだことはありませんから、
これを機会に読んでみようかなという気になってしまいました。